風が味方をしてくれていたら、9秒台の可能性も十分にありましたね。
今年の夏ロンドンで開催される世界陸上の代表選考も兼ねた織田記念で、
男子100メートルに出場した桐生祥秀選手が向かい風0.3メートルの中、
10秒04という好タイムで危なげなく優勝しました!
今回の織田記念は、ロンドン世界陸上の代表選考の兼ねていたので、
しっかりタイムを出して優勝したのは良かったんですが、
何だか悔しいというか本当に惜しかったですね。
誰よりも桐生祥秀選手が一番悔しかったと思いますが、
向かい風0.3メートルというあまり良くない条件だったために、
日本人初の9秒台とはなりませんでした。
タイミングが悪かったと言うか、運がなかったと言うしかありません。
だって、たった15分前に行われた女子100メートルB決勝では、
追い風2.0メートルという最高の条件でしたからね。
では、もし追い風2.0メートルという条件で走れていたら、
一体結果はどうなっていたんでしょうか。
気になったのでいろいろ調べてみると、
向かい風0.3メートルの場合、0.027秒遅くなるそうです。
つまり、今回の決勝での走りで単純計算した場合、
追い風0.3メートルあれば、ギリギリ9.99が出ていたかもしれません。
そして、追い風2.0メートルなら、9秒86ぐらい出ていたと思われます。
まあ追い風2.0メートルとまでいかなくても、
ほんのちょっと追い風が吹いていたら9秒台だったでしょう。
あと、今回の桐生祥秀選手が優勝した織田記念には、
最大のライバルと思われていた山縣亮太選手はケガのよる欠場で、
ケンブリッジ飛鳥選手は米国遠征で出場していません。
もしも、彼らが2人も出場していたら、
もう少し速い記録が出ていたかもしれません。
もちろん、2人が一緒に走ることで体が硬くなってしまい、
思うような走りができなかった可能性もあるため一概には言えません。
今回の決勝だって、30メートル付近で少しバランスを崩していました。
これで、少しはタイムロスがあったはずです。
ただ、安定して10秒0台を出せるようになってきているので、
タイミングさえ合えば、いつ9秒台が出てもおかしくないと思います。
桐生祥秀選手が、安定して好タイムを出せるようになったのには、
冬の時期に行ったトレーニングのおかげだと言われています。
予選を走り終えた後も以前ほど疲労が残らなくなり、
予選の疲労を最後の決勝まで引きずらなくなりました。
また、50メートル以降の後半もスピードがあまり落ちなくなり、
スピードを維持しながら、グングン伸びる走りができています。
このままトレーニングをしっかり積んでいき、
ケガすることなく順調にレースに出場し続ければ、
近いうちに、9秒台を出す確率はかなり高いと予想しています。
9秒台達成と日本記録更新という歴史的瞬間は、
もうすぐそこまで近づいてきています。
今後の桐生祥秀選手の走りにはもう目が離せませんね。