陸上の日本選手権、男子100m決勝で優勝したのは、桐生祥秀でもなく、
ケンブリッジ飛鳥でもなく、18歳のサニブラウン・ハキームでした。
夏の世界陸上の代表選考を兼ねた今年の日本選手権男子100m決勝。
出場8人中5人が10秒0台の自己記録を持つ大混戦の中、
サニブラウン・ハキームが大会タイ記録となる10秒05で
自身日本選手権初優勝となり、世界陸上のこの種目代表を決めました。
大会前は、10秒0台の記録を持つ有力選手が揃い踏みで、
記録の出やすい長居陸上競技場で開催されることから、
いよいよ日本人初の9秒台が出るんじゃないかと期待していました。
しかし、残念ながら天候が雨で9秒台は次回以降に持ち越しに。
それでも、若いサニブラウンが台頭してきたことには、
これからの日本男子短距離界にとって良かったんじゃないでしょうか。
正直言って、まさかサニブラウンが勝つとは思っていなかったので、
今回の強い勝ち方を見て本当にビックリしました。
桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥、山県亮太、多田修平の実力者4人を
ほぼ寄せ付けない圧勝と言ってもいい走りだったと思います。
このプレッシャーのかかる大きな舞台での優勝と自己ベスト更新は、
メンタルが相当強くないとできることではありません。
しかも、雨が降る悪条件での好記録ですからかなり評価できます。
ひょっとしたら、桐生祥秀よりも先に9秒台を出すかもしれませんね。
伊達に世界ユース選手権で100・200mの2冠を達成し、
200mではあのボルトの大会記録を更新しただけのことはあります。
そして、100mを制した勢いに乗って挑んだ200mでも、
20秒32の自己ベストで飯塚翔太を破って見事に優勝しました。
それまでのレースの疲労がある中での記録だったので、
ベストの状態だったらもう少しいい記録が出たかもしれません。
前回の世界陸上では、200mで準決勝進出を果たしましたが、
今回は、決勝進出を目指して頑張って欲しいところです。
ボルトが今回の世界陸上で最後になるそうなので、
個人的には、サニブラウンをリレーのアンカーに起用し、
最後の直線での対決を見てみたいなと思っています。
早く世界陸上でのサニブラウンの走りを見たいですね。